ついに読み始めた念願の長編小説「ローマ人の物語」は、本編前から楽しめる
本好きなら恐らく気になるであろう長編小説、塩野七生さんの「ローマ人の物語」。
ついに、手に取ってしまいました・・・。
ハードで15冊、今回買った文庫版だとなんと43冊にのぼる大作です。
全巻大人買い・・・は控えて、今回はキリの良いところまで5冊、買いました。
毎日少しずつ、1巻をのんびりと読み進めていますが、小説として書かれているため読みやすいなぁというのが第一印象。
ですが、文庫版の「まえがき」にまず痺れました。
そもそも文庫は「持ち運びを重視する」ことで成り立ったもの。
だからこの「ローマ人の物語」も、ハードカバーをさらに「持ち運びに苦にならない」サイズへと分冊したそうです。
さらに、文庫版の表紙には、古代ローマのコインが使われているのですが、これも作者が表紙を追うことで通貨の歴史も分かることも狙っているのだとか。
装丁もシックな色で落ち着いていて、逆に物語へ入る準備をきちんとさせてもらえます。
いつか、京極夏彦は、新書も文庫も「文字のレイアウト」にまで拘って、配置を調整すると聞きましたが(だから、「文庫版」がタイトルに入るとも)、それにも通じる作者の想いを感じとりました。
「物語を書くこと」だけではなく、「本を手に取る人」に何を伝えるかを考え、そこまでプロデュースしたいというプロ魂を感じました。
・・・何も、本だけではなくて、全ての仕事に通じることなのだとは思いますが。
少し視点を変えるだけでも、1冊の本から得るものは多く、だから読書がやめられなくなるのかもしれません・・・
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